2012年9月4日火曜日

moumoonの季節がやってきた。

大学2年の秋、入学したばかりの自動車学校が潰れた。

学内のサークルで大学祭の出店の準備をしていたんだけど時間になってもなかなか来ないメンバーが居て、「遅いけど何をしてるんだろう」という話の中で、「そういえばあいつが通っていた自動車学校、潰れたらしいな」と聞いた。「へえ、かわいそうに」とか思っていたけれど、寮に帰ったら郵便受けに1カ月前に入学したばかりで1度も通っていなかった自動車学校からの郵便が入っていた。さすがにその日の晩は熱が出た。

結局、大学生協経由で別の自動車学校に入ることが出来た。秋も深まった11月末頃、雨が降る午後に入学手続をしに行ったのを覚えている。京王線柴崎駅そばの自動車学校。あとから聞いた話だけど、ここは「合格率都内No. 1」の教習所として有名だったらしい。それと同時に、「卒業生の事故発生率都内No. 1」でもあったそうなんだけど。入学金・授業料は全額大学生協が立て替えてくれた。

3年の夏休みの終わり頃、入学手続き以来一度も訪れていなかったこの自動車学校から電話が来た。「期限が迫っているよ!」という話だった。よく覚えていないけれど、入学から一定の期間のうちに仮免を取らないと全部パーになるらしい。そこからはこりゃまずい、と思って毎日のように通った。

10月が終わり、11月に入って、「ひと雨ごとに秋が深まる」時期も大体終わって秋が深まりきった頃を迎えても、僕はまだ京王線に揺られてこの自動車学校に通っていた。京王線は、新宿〜明大前くらいは都会らしい街並みが車窓に広がるけれど、そこから調布まではほとんど田園地帯になる。芦花公園とか実に田舎だ。八王子と変わらん。

この頃に、初めてmoumoonを聴いた。教習所で、次のコマまで時間があって、休憩室でのんびりしていたときだったと思う。『青い月とアンビバレンスな恋』が有線のスピーカーから流れてきた。当時は、西野カナとか加藤ミリヤあたりを例に出したり、AKB48と嵐がオリコンチャート独占〜とか言ったりして、JPopの衰退を声高に叫び始めた時代だった。そんな中で、場末の教習所のスピーカーから流れてきたこの曲はどこか違って聴こえた。



あれから3年、秋と言えばmoumoonな訳です。去年の10月に東京に遊びに行って、ひとりで空港から友達の家まで深夜に歩いたり、自転車を借りて山手線の内側を走り回っていたときも、ずっとmoumoonを聴いていた。

また、秋がやってきた。まだちょっと暑いけれど、9月はどうしようもなく象徴的に秋の始まりだと思う。
京王線、調布、自動車学校、雨、蒲田、国道15号、深夜2時、恵比寿、自転車、青山。そういったキーワードが出てくるような気がする。







0 件のコメント:

コメントを投稿