2010年11月19日金曜日

多摩地区の大規模停電とイトーヨーカドー南大沢店の対応。


昨日18日午後、大学の空き教室でゼミの話し合いをしていると、突然プロジェクターが落ち、照明が消え、豆電球だけが点灯しはじめた。
直前に工事業者が「電源シャフト室」という部屋に出入りしていたのをその場にいたみんな見ていたので、「彼らが何か配線を切ったのだろうww」「停電はこの建物だけだろう。早く復旧しないかな」とか話していたけれど、twitterを見ると友人が
とか言っててびっくり。

事実は上記記事の通り、東京電力の変電所でのトラブルが原因とした多摩地区大規模停電だったのだけど。
ちょうど僕たちゼミ生はイトーヨーカドーをはじめとした日系小売業の国際展開について調べているところ。
四川大地震の際の成都イトーヨーカ堂の対応なんかを聞いて知っていたので、「日本のイトーヨーカドーはどういう対応をするか?」なんてことが気になって、教室を飛び出して大学の近くの「イトーヨーカドー南大沢店」のフィールドワークをしてみることにした。ので、今回はそのレポート。


「きっとレジが落ちているはずだけど、会計はどうするんだろう」「冷蔵庫とかどうなるんだろう」「店員はどういう対応をしているか」「営業は中止になるのかな」なんて事を話しながらイトーヨーカドーに向かう。



(イトーヨーカドー南大沢店)


電気が落ちたのは14時55分頃で、イトーヨーカドー前についたのは15時20分頃。

店の前には人だかりが出来、マネージャー級の社員が正面玄関を封鎖(イトーヨーカドーでバイトしているゼミ生が「あれは全部マネージャー」と言っていた)。店内のお客を積極的に「追い出す」ことは一切していなかったけれど、新たに入店しようとするお客に対して、事情を説明して入店をお断りしていた。

店内は照明が落ち、非常口の緑色のサインの非常ランプがチカチカ光っているのだけがわかる(こんなの初めて見た)。

その頃、用事で遅刻してきたゼミ生と合流。彼女は同じく南大沢駅前のセブンイレブンでバイトをしていて、既に店員に話を聞いてきたらしい。
彼女によると「セブンイレブンのレジは、3時間は落ちないらしい。予備電源がそれだけはもつらしい」とのこと。これは初めて知った。

15時25分頃、イトーヨーカドーの店内の照明がつき始める。停電からおよそ30分後のことになる。
大学とイトーヨーカドーの間には「三井アウトレットパーク多摩南大沢」があるが、イトーヨーカドーに向かっている途中ではこれらの店の照明は全て落ちていたけれど、ちょうどこの頃には全ての店舗で照明が復活していた。どうやら南大沢エリアの電力が復活したらしい。

ちなみに南大沢エリアの信号は消えているものと点いているものがあった。京王線は自社の電源があるようで、遅れは出ていたものの運行はしていた。南大沢駅直結の「フレンテ南大沢」は照明が落ちていなかった。京王電鉄独自の電源から引っ張っているのかな。

正面玄関からは店内に入れないので、テナントであるミスタードーナツを経由して店内に入ってみる。そこまでの極端な入店制限はしていないようだった。

店内に入り、化粧品売り場を抜けて食品売り場に行くと、パートさんが食品売り場への入口でお客を停めていた。
曰く、「現在は予備電源で稼働してはいますが、冷蔵庫などが一旦落ちたため、消防の検査を受けているところです。完全に復旧するまでは立ち入りをご遠慮下さい」とのこと。
1階は、食品売り場だけはなんとか照明がついていたが、化粧品売り場などそれ以外の売り場は全て非常灯だけが点いていた。2階以上のフロアは全て照明が落ちていた。

階段近くではパートさんの誘導で2階以上のフロアにいた客がぞろぞろと1階に降ろされ、エスカレーター前には同じくパートさんが立ち、上に上がれないようにしていた。エスカレーターは当然止まっていた。

イトーヨーカドーでバイトしているゼミ生がパートさんに聞いた話によると、レジは動いているとのこと。予備電源がPOSシステムだけは動かしているみたいだった。

正面玄関を通って店外に出るときにマネージャー級社員が客にこんなアナウンスをしているのを聞けた:「恐れ入りますが、現在営業を中止しております。入店はご遠慮下さい。お手洗いをご利用のお客様は是非ご利用下さい。お手洗いは店舗右手にございます。」

四川大地震(マグニチュードは阪神大震災以上)の際、多く一般の商店が全て営業を停止しているにも関わらず、成都イトーヨーカ堂は地震翌日には開店、1階にて水などを販売し、ひろく市民からの感謝を得ていた。
日本のイトーヨーカ堂においても、今回の大規模停電を受けて、営業こそ停止するもののお手洗いだけは開放する、一応入店制限はするものの極端に閉め出したりすることはしない、など、その行動には中国と日本に共通する思想が見受けられる。「地域のインフラとしてのイトーヨーカ堂」という自覚が見受けられるのだ。それは決して「マニュアル通りの対応」という印象はなかった。社員・パート1人1人に、そういう自覚が備わっている、というように感じられた。

イトーヨーカドーを出てセブンイレブンに寄ると、アイス・氷菓のクーラーボックスや、飲み物・弁当の冷蔵庫もしっかり冷え、普段と何も変わらない営業をしていた。これぞコンビニエンスストア、という感じがして頼もしかった。

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