そこで思ったことが2つ。
1.もちろん電子書籍はまだ発展途中
2.記者さんってすげえ
多分失礼にあたることも含めて、遠慮せずに書いてみようかと思う。
1.もちろん電子書籍はまだ発展途中
記者さんが(おそらく)用意していた(であろう)論点は、たぶん
a)自炊する/しないの境界線はどこか
b)電子書籍(何らかのフォーマットにのったもの)を購入する基準はどこか
c)iPadを使って本を読む上での細かいtipsはあるか
の3つ。
その中でもcがメインだったぽいのだけれど、これは結構appに依存するよね、って話になった。記者さんが望んでいたような答えは出なかったのではないかと思う。
aは、「この本は紙で読みたいけれどこれはiPadでいい」とか「この本は紙で読むよりiPadで読んだ方が便利」という線を引くのは(案の定)人それぞれ違っていて、出版社などはその最大公約数を探すことになると思うんだけど、大変だなあと思った。
bは、「書店で本を買うのとiPad上の電子書籍マーケットで本を買うことの違いは何か」みたいな話で、なんとなく結論としては「書店での奇跡的な巡り合わせを考えると、現状では書店に軍配があがる。けれどiPad上の電子書籍マーケットの書棚も少しずつ拡がってきていて、そのうち、特に大きな書店の無い田舎などでは、iPad上で買うことも増えるだろう」みたいな話になった。
全体的には、「案の定」という意見が多く、とくに新しいものは得られなかったのだけど、その「案の定」を確認できた、という意味では意義があったのかも知れない。
面白かったのは、女性参加者が職場の同僚女子に「iPad買ったよ」と言って見せたところ、同僚女子の一言目が「それってお風呂で使えるの?」だったということ。その発想はまったくなかった。
やっぱり僕らはまだマイノリティで、「iPadは風呂で使えるのか?」という発想をする人が多分マジョリティなんだろう。
2.記者さんってすげえ
冒頭に書いたとおり、「iPadでどうやって本を読むか」が今回の座談会のテーマで、正直記者さんとしてはそれ以外の意見ってのは聞けたらいいけど別に聞けなくてもいい、って感じだったのではないかと思うのだけど、参加者(僕を含めた4人の参加者のうち、僕と1人を除いた2人がひどかった)は必死に「それ以外の意見」をばんばんしゃべりたがっていた。
電子書籍の未来についての自説を説き、記者さんがほかの人に話をふろうとしているのを無理矢理自分の話に変え、最後には部屋の後ろにいた比較的えらいひとに対して「個人的なことなんですけど、こういうビジネスをしませんか」と言い始める人(しかもその話は2分でやわらかく論破・拒否されていた)。
かと思えば、(やっぱり)電子書籍の未来や「電子書籍とは何か」についてweb上で言われまくってることをさも自分の意見のように話す人(この人は勝間和代とdankogaiのことが大好きそうだった)。
僕は終始「なんでこの人達は聞かれていることに答えないんだろう、数百冊も本を読んでると言うのに、何を学んだのだろう」と思っていた。多分記者さん的にも似たようなことを思っていたのだろうけれど(記者さんはかなり早い時間にノートを閉じた)、顔や態度には一切それがでていなかった。
そして、上記の2人はすごく気持ちよさそうに帰宅していった。
インタビュイーが気持ちよくしゃべれる雰囲気をつくりだす。記者さんって本当にすごい。
あとで某誌の編集部でバイトをしている友人にその話をすると、「記者ってすごいよね。でもまあ帰りのタクシーの中でぼろくそに言ってるんだけどね」とのことだった。
それにしても面白かった。謝礼は交通費しか出なかったが、いい経験になった。
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